ベルリンの壁

[ベルリンの壁]
Brandenburg門近くのベルリンの壁(西ベルリン側)

ひとまずU-BahnでZoologischer Garten駅へ行き、高架を走るS-Bahnに乗り換え、東ベルリンとの境にあるLehrter Stadtbhf.駅までたったの3駅である。このS-Bahnもそうだが、ヨーロッパの列車のドアは日本のように自動ではなく、乗り降りする人が自分で留め金のようなものを外して(中にも外にもハンドルがあってどちらからでも開けられる)ドアを開けて出入りするしくみになっているものがある。

おそらく観光客とおぼしき白人男性が、走行中にこのドアを開け、少し身を乗り出してカメラを構えて写真を撮りはじめた。見ている方が冷や冷やした。

駅についてからおおざっぱな地図をもとにだいたいの見当をつけて歩き出した。そのうち大きな広場があり、子供たちがサッカーの試合をしていた。その広場の向こうには黒くすすけてはいるが、大きな威厳のある建物が建っていた。何も知らずに写真を撮ったのだが、後で、これが旧ドイツ帝国の国会議事堂だということを知った。

駅から10分ほどでベルリンの壁にたどり着いた。観光客がかなりいた。壁はすでに表面がかなり削り取られていて、デコボコだった。有名なブランデンブルク門は東ベルリン側にあり、西ベルリン側からは壁を隔てて裏側が見える形になっている。ちょうどブランデンブルク門のところだけ、門を囲むように壁が西ベルリン側に半円形に張り出していて、その部分だけは低い柵で囲まれているが、ときどき観光客がそれを乗り越えて記念写真を撮ったりしても警備をしている警官(?)は何も言わない。

その半円形の壁の周辺ではベルリンの壁の大小さまざまな破片や、東ドイツの軍隊か何かのバッジのようなものや、壁の破片で作ったアクセサリーのような物を売っている。半円形の部分の付け根の辺りで壁が少し取り除かれていて、チェックポイントという、国境検問所のようなものがある。そこを歩いて東ベルリンと行き来できるようになっている。そこからさらに横に伸びている壁には観光客が各々持ってきたハンマーでカンカンと壁をたたいていて、まるで工事現場のような感じだった。残念ながら私はハンマーは持参しなかったので、地面に落ちている破片を数個拾い、さらに半円形の壁の近くで壁の破片を売っていたドイツ人の女の子から1個1DMで小さな破片を3個買った。これは日本に帰ってからいくつかはおみやげとしてあげてしまったが、手元にも2、3個残っている。一生の宝物である。

旅行では自分の姿はあまり撮らない主義(旅行で自分の見たものを撮って後でそれを見て思い出すのが本当の旅行写真であって、旅行中に自分の目に見えるはずのない自分の姿を撮るのは不自然だからという理由)だが、さすがにここは証拠写真ということで、近くにいた日本人の旅行者に頼んで壁に触れている写真を撮ってもらった。

ベルリンの壁は、実際に見てみるとただのコンクリートの壁でしかないのだが、東西冷戦の象徴的存在だったベルリンの壁が目の前で崩れつつあるのを見ると、妙な興奮を感じてなかなかその場を離れられなかった。駅への帰り道にベルリンを流れるSpree川を渡る頃にはすっかり薄暗くなっていた。

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